女性アスリート
外来Female Athlete
Outpatient Clinic
スポーツを愛する全ての女性のために
鎌ヶ谷レディースクリニックでは、日常的にスポーツに取り組むすべての女性を対象に、健康と競技生活を支える診療サービスを提供しています。プロ・アマチュアを問わず、部活動に励む学生の方も歓迎いたします。
スポーツに取り組む女性には、特有の健康課題が伴うことがあります。当クリニックでは、障害の予防やコンディショニングに重点を置き、それぞれの競技特性やライフスタイルに応じた診療を実施。鎌ヶ谷を拠点としながら、地域を問わずスポーツに励む多くの女性たちの健康をサポートしています。
経験豊富な専門家が一人ひとりに寄り添い、パフォーマンス向上と未来への一歩をサポートする「女性アスリート外来」を、ぜひご利用ください。
CONTENTS
「女性アスリート外来」の基本方針
・選手のコンディショニングに配慮した診療
・競技・種目特性を考慮した治療の選択
・アンチ・ドーピングの精神に基づいた診療
・試合や練習日程に配慮した治療
対象
プロ・アマチュア問わず、日常的にスポーツに取り組むすべての女性を対象に診療を行っています。
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プロとして活躍する
女性アスリート -
部活動やクラブチーム
で活動する学生 -
各種大会に出場している
アマチュアの選手 -
趣味や健康維持のために
定期的にランニングやジムに通う
社会人 -
ママさんバレーやランニングなど
地域のスポーツに参加する方
女性アスリートが抱えやすいお悩み
・月経不順(無月経含)
・月経困難症や月経前症候群(PMS)
・月経周期によるコンディション不良
・摂取エネルギー不足
※整形外科分野のお悩み・症状があった場合には、鎌ヶ谷レディースクリニックが推薦する整形外科をご紹介いたします。
女性アスリートが
健康で長期的に高い競技力を継続できるよう、
医学的側面から総合的に支援
女性アスリートが陥りやすい
3つの健康課題
女性アスリートにとって、トレーニングと栄養のバランスがしっかりと整っていることは、月経異常や怪我を防ぎ、「健康な状態」で運動を続けるために不可欠です。しかし、トレーニングの量や質が向上しても、摂取するエネルギーが不十分だったり、月経が不規則、あるいは完全に止まってしまう状況を放置すると、次のような健康リスクが高まります。
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利用可能エネルギーの不足
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視床下部性無月経
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骨粗鬆症
これらの状態は、疲労骨折や靭帯の損傷、怪我の治りにくさなどの症状を引き起こし、最終的にはトレーニングの成果が出にくくなるだけでなく、アスリートとしてのキャリア継続を難しくすることもあります。こうした女性アスリートが陥りやすい3つの健康課題を「女性アスリートの三主徴(Female Athlete Triad)」と呼びます。
診療・治療内容
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血液検査
健康維持とパフォーマンス向上をサポートするため、専門的な血液検査を行っています。血液検査により、栄養状態、貧血の有無、ホルモンの状態、疲労の蓄積具合など、運動習慣を持つ方特有の体調変化を詳細に把握することができます。
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超音波検査
身体に負担をかけずに、骨盤内やその他の組織の状態を確認するための安全で効果的な検査です。子宮や卵巣の病気の有無を確認します。
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PMS・月経困難症治療
PMSの治療では、生活習慣の見直しや栄養指導、薬物療法を組み合わせ、症状の緩和をサポートします。月経困難症に対しては、痛みを和らげる薬の処方に加え、ライフスタイルに合わせた生活改善のご提案を行います。競技や運動を続けるアスリートの方には、身体への負担を最小限に抑えながら、継続的な活動を支える治療計画をご提案します。
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月経移動
重要な大会や試合の日程が月経と重なる場合、ホルモン療法を用いた月経移動を行うことで、競技中の不調を回避できます。試合日程や個々の状況に応じて最適な方法をご提案します。
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専属の管理栄養士による栄養指導
エネルギー不足や栄養バランスの乱れを防ぐため、管理栄養士や専門医が一人ひとりに合わせたアドバイスを行います。運動量に応じた必要なエネルギーの調整や骨の健康維持、疲労回復に必要な栄養素を考慮した食事プランを提案し、競技生活を支える体づくりをサポートします。
担当医
荒川 恵
女性アスリート外来担当医。東京女子医科大学医学部を卒業後、同大学東医療センターにて産婦人科を専門に研鑽を積む。女性の健康を支えることに情熱を注ぎ、日々の診療に取り組む一方で、スポーツドクターとして女性アスリートの支援にも積極的に取り組んでいる。
■日本産科婦人科学会専門医
■日本スポーツ協会公認スポーツドクター
■日本パラスポーツ協会公認パラスポーツ医
■日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門
実績
Bリーグ 千葉ジェッツふなばし
フライトクルーチアリーダーズSTAR JETS
当院では「STAR JETS」をサポートしています。女性アスリート特有の問題の改善や栄養指導、怪我の予防など、定期的な勉強会を開催しています。
キックボクサー
山本“魂武羅”知美
福岡県北九州市出身。中学時代から空手を始め、約10年間のキャリアを積んだ後、キックボクシングに転向。現在競技歴7年目。リングネームは「魂武羅(コブラ)」。ニックネームは「グレネードフィスト」。身長163cm・体重52kg。構えはオーソドックス。得意技はパンチ。戦績は8戦3勝2敗3分(1KO)。2019年KAMINARIMON全日本女子-57kg級準優勝。所属ジムはFAITH。
婦人科サポートで変わった
“減量”と“パフォーマンス”
生理や減量の壁、相談できる相手がいなかった日々
キックボクシングの練習や試合に打ち込んでいる中で、ずっと悩んでいたのが「生理」と「体重コントロール」でした。生理前から生理中は、どうしても体調が悪くなって、練習に集中できない日も多くありました。特に減量の時期は本当に大変です。体が水分を溜め込みやすくなり、汗をかいてもなかなか体重が落ちてくれません。逆に水分補給をすると、すぐに体重が増えてしまう…。そんな悪循環で悩んでいました。
でも、私がいる格闘技の世界は男性が多い環境。こういった婦人科系の悩みを相談できる相手はほとんどいませんでした。話せるのは親くらい。専門的なサポートを受けるという発想自体がなかったんです。
アスリート外来との出会い
転機になったのは、ある試合で軽量オーバーしてしまった時のことでした。「これはもう自分だけではどうにもならない」と感じていた頃、ジムの知り合いから「鎌ヶ谷レディースクリニックのアスリート外来に行ってみたら?」と声をかけてもらったんです。正直、最初は婦人科に行くことに少し抵抗がありました。もし男性の先生だったらどうしよう、とか、自分の体の悩みを面と向かって話せるのかな、と不安がありました。でも、実際に行ってみたら担当の先生は女性で、すごく親身になって話を聞いてくれました。その安心感が大きくて、すんなり通い始めることができました。
受診後の変化――体調もメンタルも安定
アスリート外来では、まず生理をどうコントロールするかについて相談しました。試合や減量のタイミングに合わせて、生理を一時的に止める薬を使うことに。もちろん薬の内容についてもきちんと説明してもらい、ドーピングに引っかからない成分であること、副作用についても詳しく教えてもらったので、とても安心して使えました。飲み始めた頃はお腹が少しゆるくなることがありましたが、すぐに体が慣れて、今では生理のストレスがほとんどなくなっています。さらに、食事面でもサポートしていただいています。1週間分の食事内容を記録して見てもらい、不足している栄養素や改善点をアドバイスしてもらっています。以前は疲れた時に甘いものばかり食べてしまっていたのですが、それがメンタルの浮き沈みにもつながっていたそうです。今は意識的にビタミンや鉄分を取り入れ、間食も減りました。そのおかげで、普段のイライラや気分の落ち込みも少なくなりました。
そして何より、体重管理がとても安定するようになりました。以前は増減が激しかったのですが、今は筋力もついてきて、しっかりパフォーマンスに反映されている実感があります。
もっと身近に、もっと広まってほしいアスリート外来
アスリート外来を受診してみて「もっと早く知っていればよかった」と本当に思いました。婦人科系の悩みは、どうしても自分だけの知識では限界がありますし、競技にもメンタルにも大きく影響してしまいます。実際、私は過去に減量オーバーして、心身ともに最悪な状態で試合に臨んだことがありました。そんな時は気分も落ち込み、お腹の調子も悪く、ベストなパフォーマンスがまったく発揮できませんでした。今はアスリート外来のおかげで、そうしたコンディションの波をかなりコントロールできるようになっています。私の周りにはまだアスリート外来に通っている女性アスリートはほとんどいません。もっとこうしたサービスが身近にあって、わかりやすく情報が広がれば、多くの女性アスリートが利用しやすくなると思います。もし周りで「行こうか迷っている」という女性アスリートがいたら、私は迷わず「絶対に行った方がいいよ」とすすめます。アスリート人生は限られていますし、メンタルも体調も整った状態で練習や試合に臨めることは大きな価値があります。私にとっては今やアスリート外来に通うことも「トレーニングの一部」のような感覚です。これからも上手にサポートを取り入れながら、もっと良いパフォーマンスを目指していきたいと思います。
Bリーグ 千葉ジェッツふなばし
フライトクルーチアリーダーズ STAR JETS
Aya
千葉ジェッツふなばし フライトクルーチアリーダーズ「スタージェッツ」所属。スタージェッツ在籍5年目。クラシックバレエ歴20年以上の経験を持ち、優雅さと力強さを兼ね備えたパフォーマンスが持ち味。学生時代からPMS(月経前症候群)に悩んでいた経験から、スタージェッツ加入をきっかけにアスリート外来のサポートを取り入れ、現在も定期的に婦人科ケアを行いながら活動を続けている。
@CHIBAJETS FUNABASHI
婦人科ケアで
“100%のパフォーマンス”を目指す
生理やPMSに悩んだ学生時代
私は学生の頃からPMS(月経前症候群)が重く、生理に関する悩みはずっと抱えてきました。チアダンスを始める前はクラシックバレエを20年以上やっていたのですが、コンクール当日にお腹が痛くなったり、リハーサル前に体調が悪くなったりして、思うようにパフォーマンスができないことが何度もありました。時にはやむを得ず大切なリハーサルを休まなければならないこともあり、どうにかならないものかと感じていました。でも当時は「こういう悩みを婦人科で相談する」という発想が全くなかったんです。アスリート外来という存在自体も知りませんでしたし、まさか自分が婦人科に通うことになるなんて想像していませんでした。
アスリート外来との出会い
きっかけは、スタージェッツに加入した時。チームと提携している「鎌ヶ谷レディースクリニック」でアスリート外来の説明会があり、そこで初めてこのサービスの存在を知りました。説明を聞いた瞬間「これは受けたい!」とすぐに決意。パフォーマンスに集中できない要因はできるだけ取り除きたいと思っていたので、100%の力を発揮するためにできることは全部取り入れよう、そんな気持ちでした。
受診後の変化1――生理やPMSの改善でパフォーマンス向上
アスリート外来では、まず生理のコントロールを目的に低用量ピルを処方していただいています。試合の日に生理が重ならないよう調整できるので、ユニフォーム姿でも安心してパフォーマンスに集中できますし、痛みを心配せずに全力で動けるようになりました。以前はPMSで痛みに悩む日も多かったのですが、今はかなり改善され、試合の日は婦人科系の問題を気にせずにパフォーマンスに集中できています。クラシックバレエをやっていた頃に比べても、今の方がずっと快適に競技を続けられていると実感しています。
受診後の変化2――食事改善と定期的な体調チェック
食事面のサポートもとても大きな効果がありました。受診当初は、摂取カロリーが低すぎて体がエネルギー不足になっていたんです。必要な栄養素がうまく吸収されていなかったので、まずは摂取カロリーを増やして、身体が正常に機能する状態に整えることから始めました。具体的には、3日間分の食事記録シートにすべての食事と間食を記入し、PFCバランスや栄養素をチェックしてもらいます。そのアドバイスに沿って食事を改善したことで、体力がしっかりつき、パフォーマンス後半でも疲れにくくなったと感じています。さらに、定期的にがん検診や血液検査も受けており、例えば「タンパク質の吸収が不足している」といった指摘をいただいた際には、すぐに食事内容を見直しました。現在は3ヶ月に1回のペースで受診していますが、まさに「歯医者の定期検診に行くような感覚」で、体の状態をしっかり把握する大切な機会になっています。
若い世代にも、もっと知ってもらいたい
婦人科領域のケアは、女性アスリートにとってとても重要だと思います。もちろん悩みがない方は受診の必要性をあまり感じないかもしれませんが、少しでも不安があるなら、相談できる環境があることは本当に大切です。クリニックの先生方は私たちのパフォーマンスを理解した上で診察してくださいますし、運動経験のある先生が多いので、競技特性に合ったアドバイスが受けられるのも安心感につながっています。「スタージェッツ」では新人が入る時に必ずアスリート外来の説明会があり、その後は自分の判断で受診する形ですが、こうした選択肢があること自体がありがたい環境だと感じています。個人的には、もっと若い世代にもこうしたケアの重要性を知ってもらいたいと思います。たとえば中学や高校の保健体育の授業で、専門家がゲスト講師として婦人科ケアやアスリート外来について伝える機会があれば良いのではないでしょうか。部活動で運動をしている学生さんたちにも、早いうちから正しい知識が広まれば、もっと競技に集中できる環境が整うはずです。
私自身、アスリート外来を通じて婦人科ケアの大切さを実感しているので、これからもこうした取り組みがさらに広がっていってほしいと願っています。